ねこみみ【豺+燦+聡+黒音】

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「ねーねー聡くん」 燦と豺が一服をしに縁側に出ているので、黒音はつまらなそうに聡を呼んだ。 「なんだ」 「ちょっと二人のことびっくりさせよー!」 「え?」 唐突でアバウトな黒音の提案に聡は目を丸くする。 「ちょっとまってね!」 そう言うと、黒音はごそごそとクローゼットを漁り始め、なにやら楽しそうにしている。 「黒音?何を」 言いかけた所で、聡は自分の頭に違和感を感じ頭部に手を伸ばす。 「じゃーん!ねこみみ!」 「えっ」 頭を触ると二つのもふもふ。 「黒音…なんだこれは」 「えっへへー!かわいーでしょ!」 黒音はねこみみを自分にも付け、得意げにくるりと一回転する。 「そりゃ、黒音は可愛いけど…僕には似合わないよ」 「えー可愛いよ!すっごく可愛いよ!燦とお兄ちゃんに見せるまで!ね?」 黒音にずいと迫られ、聡はたじろぐ。聡はどうも黒音に弱い。 「わ、わかったよ」 「よかった!」 (黒音にはかなわないんだよなぁ…) 黒音は嬉しそうに縁側への障子に手を掛ける。 「開けるよー!」 「はぁ…こんなんで驚くのか…?」 スパンと勢い良く障子が開かれると同時に、燦と豺が振り返ってこちらを見た。 「お?」 「ん?」 「燦!お兄ちゃん!みてみて~ねこみみ!!」 「なんで僕が…」 黒音がドヤッ!とばかりに手を広げて見せ、燦の元へ膝をついた。 「うっは!!黒音可愛い!!!」 黒音バカの燦はデレッとしながら黒音の頭を撫でる 豺はというと 「お、おい豺大丈夫か」 思いっきり噎せていた。 image=488736326.jpg
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