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(おまけページ)
豺が五日ぶりに帰ってきた。
足音でわかった。それだけで泣きそうになった。僕は布団をかぶってごまかした。
2日で任務を終わらせると言っていたのに5日もかかった。とんだ駄犬だ。
5日ぶりだというのに馬鹿な使用人達のせいでそこらじゅう痛くて身体を起こすこともできない。
豺に抱き起こされて、その手の温もりだけでまた泣きそうになった。絶対に泣かない。
嘘つきの罰として悪態でも吐いてやろう。
豺はまた今日から一緒に居られるんだ。
もうこの広いベッドで1人で寝なくていいんだ。
心配で心配で眠れない夜は終わったんだ。
使用人なんか怖くない。僕が怖かったのは豺が居なくなる事だ。
生きていた、帰ってきた、よかった。
少しだけ素直になってやろうと思った。
でも途中で言葉に詰まってしまった。代わりに涙が出てきた。
豺、僕は豺が居なくて寂しかった。
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