セフレの定義

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「ふん…勝ったわね」 だけどすぐに後悔した。 「やりすぎた…」 上司としてあるまじき暴言を、 しかも男を巡る争いで。 そのうち何だか可笑しくなった。 私とは対極にある彼女に呆れつつ、泣いたり怒ったり、何でも吐き出す彼女の猪突猛進な単純さがどこか羨ましくもあった。 それに彼女の言ったことは今まで高飛車だった私の身から出た錆で、きっと大半の女子の本音だ。 “私は誰かみたいにお高くとまってませんから!” この年になってようやく、 自分に足りないものを痛感する。 いや、いくら率直がいいったって、小椋さんはどうかと思うけど。 ところが翌日すぐに、私は自分の暴言を反省する羽目になった。
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