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「よかった。七時でいいかな。
何か食べたいものある?」
「課長にお任せします」
「そうだな…。和食は?」
「はい、大好きです」
「それなら予約入れておくよ。
じゃあ後でね」
笑顔のまま、自分の席に向かう。
ああ…。
何を意地張ってるんだろう、私。
「超楽しみー!今日はうっかり帰っちゃうのナシだよぉ?」
心の中でため息をつきかけた私は、背後から聞こえた小椋さんの笑い声でまたヘソを曲げた。
「…羽鳥課長、何て?」
アイロンがけしたみたいに笑顔をキープして自席につくと、横から梨香子がコソッと話しかけてきた。
「食事のお誘い。相談があるって言ってたから仕事の話よ」
「そうかなー?
あのね、耳寄り情報聞いたのよ」
梨香子が周囲に聞こえないよう椅子を転がして近寄ってきた。
「課長、離婚してるんだって。
これ、まだ公にされてないの」
「えっ?」
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