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どうやってコートを脱いだのかも分からない。
気付けばベッドに横たえられていた。
その時初めて、篠田の髪が濡れていてシャンプーの香りがすることに気付いた。
「待って。私も、シャワー…」
「このままでいい」
「嫌……」
私だけなんて。
首を振るけれど、待ちきれないように覆い被さってくる彼の重みと宥めるようなキスだけで、立ち上がることもできないぐらい溶かされていく。
私に触れる彼の手は前回みたいな荒々しさは消えて、ひどく優しく、それでいて貪欲だった。
一枚一枚素肌に近づく度、
指と舌が情熱的に絡み付く。
そうして愛されると、込み上げ溢れる熱をどうにもできなくて、私の唇からは切ない吐息が漏れた。
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