素肌を彼に

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愛しくて、 焼け付くほどに、もどかしくて。 どうすれば一つになれる? どうすれば溶けあえる? 「お願い…」 彼を見上げる目尻から涙がこぼれた。 「来て」 こんなに恥ずかしいことを口にしてしまえるぐらい、苦しくて。 「お願い」 「……どうして」 篠田が苦しそうに息を吐いた。 「止まれなく…、なる」 持ち上げられた脚を彼の腰に絡めてすがりつくと、篠田の声が擦れて揺れた。 繋がる前の一瞬を感じて息を止める。 苦しそうな彼の声と同時に深い快感に呑まれた私には、彼が何を言ったのか、はっきりと聞こえなかった。
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