2681人が本棚に入れています
本棚に追加
「今週末にも返事を聞かれるんじゃない?二ヶ月しかないんだし」
「…そうよね」
「もう木曜日だよ」
「わかってるわよ」
ぐちゃぐちゃした気分でまたカタカタとキーを打ち始めたけれど、梨香子はまだ続けた。
「美紀は片桐君一辺倒だったけどさ、課長、超もててたよ。
二ヵ月だし気楽に乗っちゃえば?
私ならフラッといっちゃう」
「相原君に言いつけるわよ」
頭では分かってる。
課長が最高の相手だってことも、
早く決めなきゃいけないことも。
「明日、もし課長に誘われたら私達より優先していいからね」
「明日はないでしょ。
米州部、今すごく忙しそうだし」
明日の夜は同期の美香など古株女子仲間と女子会の予定だ。
「ねぇ梨香子。この話、まだ美香達には内緒にしておいてね」
周囲から追い詰められたら、
もう後戻りできなくなるから。
そんな風には流されたくなかった。
最初のコメントを投稿しよう!