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「……おはようございます、片桐主任」
入り口に立つ篠田の顔は普段と同じ無表情だけど、なぜか不機嫌だと分かった。
「ああ篠田君、久しぶり。
今、米州部忙しいんだって?」
篠田は素っ気なく返した。
「羽鳥課長が探してましたよ、片桐主任を」
「え、本当?行かないと」
腰を上げた怜が出ていきかけて、私の方に振り向いた。
「そうだ。今晩、空いてる?
経企室の飲み会があるんだけど」
「ああ…今晩はダメなの」
「そっか。また声かけるよ。
じゃ、後でね。
篠田君、ありがとう」
怜の出ていった休憩室に微妙な沈黙が落ちた。
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