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うっすらと目を開けて、朝の光が透けるカーテンの青をぼんやりと眺める。
青……。
私の中の篠田の色。
身体に残る昨夜の熱もここが篠田の部屋であることを伝えていて、喜びとも動揺ともつかない不思議な感情がじわじわと胸を満たす。
そういえば初めての朝、怜の部屋でないことに落胆したっけ。
でも今は……、
背中を包む温かな肌にそっと頭を預け、穏やかな寝息を聞く。
初めての時も、二度目の前回も、目覚めれば篠田は隣にいなかったのに。
今朝、篠田は私の隣にいた。
しっかりと後ろから私を抱き抱えるように腕を回して。
全身が疼くほど切なく甘いこの時間が、永遠に続けばいいのに。
温かな肌の感触も、
緩やかな鼓動も、
私を包む腕の重さも。
目を閉じて、
すべてを心と身体に刻み込む。
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