第10章

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「それってさぁ…やきもちだろ?」 「違うよ…なんて言うのかなぁ…知らなくてもいいことが聞こえてくるから、モヤモヤしてるだけ。」 「だから言ったじゃん。周りの噂なんかより、俺の言ってることが事実だって。」 「その事実も……モヤモヤするんだもんっ。」 過去に嫉妬してもどうしようもないことなんだけど、キッと武石くんを思わず睨む。 「そこに感情がないんだから、意味ないだろ?」 ぽんッと優しく頬っぺたを触られて、思わず緩む口元を隠す。 「でも、何でも受け入れなくっても…」 「俺からは何もやってないし、俺は触られてただけ。」 「ぶーっ」 思わず唇がとんがる。 「過去まで綺麗じゃなくてごめん」 「………そんな言い方、ずるい……」
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