最終章

3/6
前へ
/310ページ
次へ
ずっと部屋の片隅にあったお母さんのお骨。 じょうくんはどんな気持ちで今日、ここに来たんだろう。 お骨になってからでも、そばに置いておきたかった気持ちを考えるとギシギシと心が痛んだ。 「今日、千代と来れてよかった…。いつまでもあのままじゃダメだってはわかってたのに、前にも後ろにも進めなかったのが、嘘みたいだ…」 「…うん」 「生きてるときは、このままこの母親と暮らしていくのはしんどいとか、将来どうなんだよ、とかいろいろ考えてた。自分がどんだけ可愛がられてたのか、昔のことなんか全然忘れて。死んでからそれを嫌というほど、実感するなんて、なんか、俺って最低だな、とか。まぁ、ごちゃごちゃいろんな感情が心ん中で渦巻いてて…」 「…うん。」
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

969人が本棚に入れています
本棚に追加