千佳

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意識は朦朧としているのに、体だけが刺激をたどっていく。 「あァっ!」 「駄目だよ。声、聞こえちゃうじゃない」 「お願いっ」 「何を?」 「・・・欲しいの」 「聞こえないなぁ」 白々しく肩をすくめる男。 「わかった、やめて欲しいんだ」 意地悪く笑うと、指を抜く。 糸を引くほど、濡れた指先を口に含む。 「それで?」 鏡に映る私は、懇願する。 「お願い・・・」 ◇ <チョコを自分にかけて、あたしを食べてって、リボンで包めばいいじゃない> あまりにも初々しい花音に、意地悪半分で言った言葉。
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