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夜の街で、一人で寂しそうにしていたら、誰かが声をかけてくる。
私は、若い男より、サラリーマンの方が良かった。
金払いもいいし、後腐れもない。
割り切って遊べる。
下手すると、相手が複数だったり、変な薬を持ち出そうとするから、若い男はリスクが大きすぎる。
「君みたいな、綺麗な女の子が相手してくれるなんて」
ねちっこい愛撫。
気持ち悪いと思いながら、感じる身体。
何もかも、バラバラ。
抜け殻のような私を抱いて、欲望を満たす男たち。
もうやめよう。
何度もそう思いながら、人肌が恋しくなると、化粧して家を出る。
そんな時、この男に見つかってしまった。
その日も、いつもの様に品定めする男たちの視線をやり過ごし、ターゲットに決めた男と腕を組んでホテルに向かっていた。
「おい!」
突然かけられた男の声に、びくっと震えた。
「何だね、君は?」
スーツ姿の男は、動揺しながらも、相手に尋ねる。
「そいつ、未成年だって、知ってた?」
驚いた男が、私の顔を見る。
「本当なのか?」
必死に首を振るけれど、動揺した私の姿を見て、男は腰が引けたのか、「聞いてない、知らない」そう言いながら、その場を立ち去った。
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