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「年月が経つにつれて、『タイムマシンは無理だな』ってことに気付き始めちゃったよね」
クスクス笑う千夏に、
「でも、あの時は、ヒロムのあの言葉で僕たちは救われたんだよ」
と誠司君が優しい笑みを浮かべた。
「……ううん、違う。
ちゃんとタイムマシンに乗ったよ」
そう言った私に、皆は「えっ?」とこちらを見た。
「私たちは、こうしてここに集まったことで、タイムマシンに乗って戻って来たよ。
シロは救えなかったけど」
皆の姿の横に、幼かったあの日の姿が重なる。
それは鮮明に、蘇った過去。
「――そう、だな」
皆を見回してヒロムは、嬉しそうに頷いた。
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