出会いは桜の季節

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その子の隣に立っているのは・・・恐らく兄であろう小学生くらいの男の子。 男の子の髪は、襟足だけがやたら長く、他の部分は短い・・・いわゆる・・・お父さんお母さん、昔ヤンチャしてらっしゃいましたよねー?な、あの髪形。 ちなみにこちらは、襟足の部分だけが金髪で、残りは黒髪というこだわりを見せている。 そして・・・。 「キラ!アンタ、前だろーが。早く行きなよッ」 ドスの利いた、低い声。 酒焼けなのか、煙草のせいなのか、妙にしゃがれているが・・・ 間違いなくこの人が一番注目を浴びていた。 子供たちの母親らしき、ひとりの女性。 (・・・絶対に、関わりたくない・・・) 自分でも、サーッと血の気が引いて行くのがわかった。
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