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「ちょ、待った。う、ぐぅ」
両手で司の肩に縋り、背中をぐっと反らす。弓なりになった躰が硬直して赤く染まった。意識はしていたせいか、後孔だけの快楽で酔ったように飽和状態を貪る。縦に痙攣する躰をみて、肌掛けで隠れた場所がどうなっているか仁にも容易に想像できただろう。
「すさまじいな」
他人事のように仁が言って、司を気遣って声を掛ける。どうにか無理やり留まったらしく、眼力だけでさっさと始めろと伝えたようだ。ようやくアズが火照った顔で戻ってきて、忍の背中側に回ると刺青が再開された。
忍がしがみつくようにして司を抱きしめている。アズが浮き出た血のつぶてを拭い、司と忍の汗も拭きとってくれた。
火炎光の切れた炎に紅の色が撥ねる。毘沙門天の鉾がようやく繋がった。
「よし、いい色だ」
仁が終わりを告げ、刺し棒を木箱に斜めに立て掛けて置いた。
忍はしばらく放心したように司にしがみついていたが、ふうと息を吐き、顔を上げる。応えるように司が細腰に手を添えると上に引き上げられた。忍の中にあった雄雄しく耐えた竿がゆっくりと出て行く。
司はアズが差し出したタオルでそれを拭いて、スラックスの中に無理やり仕舞うとファスナーを上げた。ぐったりとした忍も後孔を拭われ、浴衣を差し出された。褌は時間を取るからとTバックを穿き、浴衣に着替える。
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