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「わかってると思うが、せめて二日はやるなよ」
仁に釘をさされ、しどけなく布団に転がったまま睨んだ。
「師匠は今から誰かを抱くんだろ? ひとこと余計だ」
仁の脂下がる顔をみて、そう吐き捨ててやるとアズが仁を睨んでいた。ぽろりとこぼされた竜巻のお返しも含めている。
媚情を上手く隠したつもりかもしれないが、焦げるような熱を沈めるのはそれが手っ取り早いことを知っている。仁は不愉快そうに、余計なことを言うなという顔で、しっしっと追い払うような仕草をみせた。
「とっとと連れて帰ってくれ」
鼻を鳴らした仁が、司にそう告げる。
とりあえず仁とアズに頭を下げ、綿になった躰を司におぶってもらった。浴衣の裾が開いてみっともないが諦めるしかない。
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