いいひと。

デートプランは完璧だった。

１０時半に渋谷・ハチ公前にて待ち合わせをし、そのまま東横線で元町・中華街駅まで向かう。

中華街をブラブラしながら、ランチをし、その後、みなとみらい駅へ向かう。

赤レンガ倉庫の辺りでショッピングを楽しみながら、お茶をして、海沿いを散歩する。

日が暮れて来たらライトアップされた大観覧車に乗って、ゴンドラがてっぺんに着いたら、理央ちゃんに告白。あわよくばそこで初チューの可能性もあるかもしれない。

まぁ、初めてのデートだし、俺も紳士な所を見せたいので、告白が上手くいったら港を眺めるレストランで食事をして帰る。理央ちゃんがきちんと家に向かう電車に乗り込んで、電車が発車するまでホームで手を振って見送るつもりだ。

グーグルアースで、街並みをチェックしながら、デートプランの予行練習（妄想で）をし、本番に備えた。

「井戸っていつもオシャレだよね？そのパーカーかわいい」

前回のカラオケ会で着ていたパーカーを理央ちゃんに褒められた。服装には偉大なるお手本Syunpeiに触発されて、高校時代から気を遣っていたので、理央ちゃんにそう言われてめちゃくちゃ嬉しかった。

「今度さ、女の子とデートする用の服選んでよ。井戸って服のセンスいいからさ」

一星にもそう言われて、一緒に買い物に出掛けた。一星に合う服をコーディネートする傍ら、理央ちゃんとのデートに着て行く自分用の服もゲットしたのだ。

「久しぶり、そのコートかわいいね！」