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「砂糖は?」
「1本ちょうだい、ありがとう」
トイレから戻って来た理央ちゃんは、お化粧を直したみたいだ。頬のピンクが濃くなってるし、唇もてかてかしてる。
ネイルアートが施された華奢な指でコーヒーカップのフタを取り、スティックシューガーを入れている。
「理央ね、井戸に話があるって言ってたでしょ?」
唐突なタイミングで理央ちゃんは話を切り出した。え?ここで?こんな人でごった返して、ざわざわしているフードコートで告白しようとしているのか?俺の心臓は飛び跳ねるか思う位にドクンと高鳴った。
「う……うん、言ってたね」
冷静を装っても声が上ずっていた。
愛の告白なら俺から……
欲を言えば、もっといいロケーションがよかった……せっかく、みなとみらいに来てるのに……ちょっと歩けばすぐ海なのに……
「理央ね、実は____」
待って、俺も理央ちゃんに話があるんだ。俺は、初めて会った時から理央ちゃんの事が____
「____好きなの」
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