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「そうか……殺りかたは、おぬしにまかせる。
三日後というのを守ってもらえば、それでよい」
「そんな簡単な仕事に、切り餅をはずんでくださって、ありがとうござんす」
「なに……おぬしには、これからもちからを貸してもらわねばならぬ。では、たのんだぞ」
本心はおくびにも出さず、御子神は笑顔で言うと、立ち上がる。
「へえ。たしかに引き受けやした……清河先生に、よろしくお伝えください」
「うむ」
御子神はうなずき、座敷をあとにすると、入ってきたときと同じように、黒板塀を軽々と跳びこえ、闇夜に消えた。
このときふたりは、この仕事が、簡単にはいかないなどとは、考えてもいなかった。
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