四十二 祐天仙之助

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「そうか……殺りかたは、おぬしにまかせる。 三日後というのを守ってもらえば、それでよい」 「そんな簡単な仕事に、切り餅をはずんでくださって、ありがとうござんす」 「なに……おぬしには、これからもちからを貸してもらわねばならぬ。では、たのんだぞ」 本心はおくびにも出さず、御子神は笑顔で言うと、立ち上がる。 「へえ。たしかに引き受けやした……清河先生に、よろしくお伝えください」 「うむ」 御子神はうなずき、座敷をあとにすると、入ってきたときと同じように、黒板塀を軽々と跳びこえ、闇夜に消えた。 このときふたりは、この仕事が、簡単にはいかないなどとは、考えてもいなかった。
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