第1章

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 相変わらずの教室の騒がしさ。まともに勉強させてくれるような雰囲気にはなるはずもない。 毎朝この調子では、イライラするやつもいないことはないだろう。 いっそ革命でも起こしてクラスを静かなクラスに変えてやりたいぐらいである。 そんなことをしてしまっては、クラスが静か過ぎておかしくなりそうだが。このバランスはかなり重要だと俺は幾度となく思ってきた。 去年、一昨年、同じことを考えていたが、今年は今まで異常にひどい。 これから受検だと言うのになぜこうバカばかりなのか。 もう少し人の気持ちにもなって欲しいものだ。 そうこう考えていると一時間目の理科の授業が始まった。 カバンからおもむろに教科書を取り出し机の上に置く。 学級委員が号令をかけ、挨拶をした。 「起立、気を付け、礼、お願いします」 たったこれだけの動作を面倒くさがる者もいる。 「全く…。なんで今までこんな奴らと居ってまともに居れたんや…」 自分を悔やんでも仕方がないことなのだが。 「んー?何か悩んでんのー?」 「いや、ちょっと考え事してただけや」 「ふーん。またなんかあったらゆってなー」 こうゆう時に優衣は気を遣ってくれる。さすが幼馴染だ。 こんな奴が隣で助かった。 「俺もこんな人に気が遣えるような人間になれればなぁ…」 「おい、一之瀬!聞いてんのか!」 授業中なのを完全に忘れて授業を聞いてなかった。 「あ…すんません。で…えっと…何すんの?」 「もー、ここ読むの!59ページ!」 「あぁ…ありがとう」 とりあえず読み終えたが、考え事をしていたおかげで笑いものになってしまった。 だが、このクラスを静かに出来る方法を思いつくことができた。 しかし実行できるのだろうか。 ―いや、やってみねぇと何も変わんねぇな―
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