30人が本棚に入れています
本棚に追加
「ミヤビ、宜しくね‥」
物静かな彼女の持ったグラスに合わせたグラス。
カチン‥
か細い音をたてる
薄暗い店内、並んで座るその姿に
ジョーは静かに唾を飲んだ‥。
一夜の相手を探していたとは思えない
ましてや、相手に困っているとは考え難い‥
ならなぜ?
その答えより、ミヤビの些細な仕草に見惚れてしまう‥
「‥何してたの?」
ぽそりと溢し、此方を遮る長い髪を退けようとしない‥
「ちょっと‥ブラブラ‥ ミヤビさんは?」
指先まで隠した袖、ちょこんとはみ出た爪はマニキュアはしていない。
飾り気の少ない清楚な雰囲気と、口数の少なさが更に不可思議で心が踊る‥
「ちょっと、ぶらぶら‥?」
ジョーを真似てミヤビが溢す‥
その、視線はグラスに向かう。
その日、久々に出会った自分好みの女性に舞い上がったのか‥
少しばかり飲みすぎた‥
最初のコメントを投稿しよう!