30人が本棚に入れています
本棚に追加
秋すさぶ‥冬の風が交わる季節‥
人恋しくなる‥
いや、正確には人肌恋しくなる‥
「何、浸ってんだよ‥」
ペシリと後頭部を叩いて現れた、同じクラスの宮原を見上げ、見られて居たかと頬を掻いた。
「なぁ、秋って 寂しくなるよな?」
電車の中は至って寂しくも無い、年中変わらぬ景色だが‥
今日は何だかそんな気分だった。
「あ?あぁ、そうね‥」
(聞いてないよな?絶対に‥)
耳に然りと嵌められたイヤホンから音が漏れて、俺にまで届いてるよ‥。
並んで座った宮原に溜め息を吐いて、視線を上げれば前の席に座っていたお姉さんと目があった瞬間、慌てて顔を伏せた…
(ふーーん…まぁまぁかな‥)
値踏みするみたいに足から視線を上げて彼女を見上げ
また、目があう‥。
とりあえずの笑顔を投げる
(78点かな‥)
60点以上なら許容範囲。
後は、相手次第‥
別に此方から声を掛けはしない。
最初のコメントを投稿しよう!