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頼むから本当に紛らわしいことは控えてくれ。とアキラは心の中で思った。
とにもかくにも入学式。本日はめでたいことに快晴に恵まれ、心晴れ晴れとこの日を迎える生徒も多いだろう。その中の一人にカナタはいるが、どうにもアキラは当てはまらない。
朝っぱらから怒られてますしね。
「俺は入学式なんてめんどくさいものは受けたくないんだが……」
「入学式まで抜けたら謹慎かもよ? もしくは反省文?」
「別にいいし!? とりあえず俺は逃げる!」
「あっアキラ!?」
アキラは一目散にグラウンドまで駆け出した。カナタの忠告を聞かなかったのはただ純粋に面倒くさかったのだろう。そんな後ろ姿を見て、ため息を吐く女……いや、男が一人。
「アキラ……今グラウンド行って大丈夫なのかなぁ? 多分『先輩』達の的になると思うんだけど」
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