第1章_空から落ちてくる美少女なんてありえない

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 だが彼、アキラは気付くことはない。  彼の手に握られてる日程表には9時から入学式と書いてある。現在時刻は8時49分。  だが『集合時間は8時30分』だ。  まだ間に合うことではあるが、印象は最悪だろう。しかしそれすら気付くことはない。 「しっかし人がいないな……。ま、堪能できるからいいかー」  そう独り言をこぼした彼は優雅に昇降口に辿り着くことなく、その手前の横道に逸れていく。 「ふふ~~~ふふふ~~」  鼻歌交じりにトコトコと革靴を鳴らし、入学式の最終準備がされているだろう体育館へと進んでいく。  彼の目の前に一人の女生徒。驚いた目で彼を見ているが、アキラはそんなことを目にも留めず、彼女の横をマイペースに通り過ぎていく。  そして先生方と出くわした。  
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