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戦いの嵐が止んだ時、深い傷を負いながらも青年は言った
「決して諦めぬ、私は必ずやこの世界を…
王の血をひく者として、私の手で治めてみせる」と
少年は傷を押さえながら言った
「お互い、無事で居られたらの話だがな…
俺は認めない、世界は自然の流れに身を任せるべきであるのだ
お前は神では無い…人なのだ…、王の血をひこうと、ただの人が世界
の…神の領域に介入して良いわけがない…
今はわからなくともいい、いずれ…その身に思い知らされる時が来るだろう」と
こうして、青年と少年の人知を超えたポケモンバトルは終わった
青年と少年との戦いが終わった次の日、少女が死んだ
野生の異常に凶暴化したギャラドスから最愛の妹を庇ってのことだった
それから間も無く二日後、青年により受けた深い傷が癒えぬまま、少年も姿を消した
噂では何者かに殺害された、もしくは先に死んだ少女を殺したのは少年ではないのか、と様々な憶測が飛び交うが真実は誰にもわからなかった
少年と少女が消えて間も無く、一人残った青年も深い傷を負ったままどこかへと去っていった
自らを鍛えるためなのか…
それとも、少女と同じく死にたえたのか、ただ姿を消しただけなのか…
"王の血を引く青年"の行方は誰も知らない…
こうして、世界に名を轟かせた3人のトレーナーは人々の記憶から消えていった
10年の月日が流れた今、少年と青年が戦った場所は、後に約束の丘と呼ばれることとなる
そして、この話を知る者は3人のことをこう呼んだ
《失われたポケモンマスター》と
そして、ポケモンマスターが消えたことにより
自らの記憶を追い求め、その心に光を宿す青き瞳の青年と、心を閉ざし闇を抱えながらも姉の意思を継いで生き続ける赤い瞳の少女の物語が始まる…
その背後に、深い深い漆黒の闇が迫っているとも知らずに…
ーFINー
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