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PM.12:38
神の古城【ファリアス】
最上階【始まりと終わりの間】
天から光を降り注ぐはずの太陽が、漆黒の月によって光を遮られている中
仲間を逃がし、姉のルナと神のアルセウスと相対するソルと英雄、レシラム
アルセウスは無傷に近い状態
ソルのレシラムは多少ダメージを負ってはいるが、まだ戦う気力はあった
だが、ソル自身は頭と右肩からは血を流してはいるもの、ルナを睨むように見つめていた
暫く沈黙が流れるものの、ルナが口を開く
「ソル君…もう諦めて…
貴方は戦えるような状態じゃないはず…貴方が勝つ可能性は限りなく0なの…」
「…ルナさん、俺に諦めたら全ては終わりだと言っていた…
俺は諦めるつもりなんか無い…」
ルナの言葉に、首を横に振りながら答えるソル
ルナが何を言おうと、戦うことを止めない
そんな態度を示していた
ルナは右手を震わせるものの、胸の前で右手を左手で押さえながら再びソルに話かける
「アルセウスに…神に勝てるという確証があるとでもいうの…?」
「…確かに…勝てるかどうかは分からない…
でも…、俺は勝つんじゃなくて、勝たなければならないんだ…
どんな結末になろうとも…
たとえ…、…この身が滅ぶことになろうとも…護る
あいつらを…仲間を…友を…家族を」
ソルの言葉に、ルナは少し苦しそうにしながら手で胸を押さえながら口を開く
「どうして…なんでソル君も私から離れて行くの…
私は…私はもう…1人は…っ
ソル君、貴方が私に抗うのなら…私は力ずくでも貴方を手に入れる!!」
そう叫ぶルナの真っ赤な目からは、ただただ涙を流していた
押さえきれない感情が、溢れ落ちていくかのように…
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