Chapter Final.太陽と月

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神の古城【ファリアス】 最上階 ゴゴゴゴゴゴッ 月が操る神と太陽が操る英雄の二匹の威圧により、古城全体が揺れていた 圧倒的なまでの力に、互いは倒れぬように必死に立ちながら向かい合う 長いようで短いにらみ合いが続く、そして… 「「いけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」 2人が同時に叫ぶと、太陽の球体がアルセウスに向かっていく 対するアルセウスは、つぶてを集め、生み出した月から無数のつぶてがに太陽に向かっていく 太陽はつぶてを飲み込み、溶かしていく中、月は己を削りながらつぶてを放ち続けていく 太陽が飲み込むか、月が太陽を砕くか、どちらが先なのかもわからない戦いであった 「無駄よ! 英雄であろうと神の前では無力!! 私には決して勝てない!」 ルナが叫ぶと、月から更につぶてが放たれていき 飲み込んでいた太陽は、みるみると小さくなり始めていく 月が優勢になっていく中、ソルはボール握りしめながら叫ぶ 「神とか英雄とか俺の知ったことじゃない! 墜ちていた俺を助けてくれた奴等に借りを返すために、兄弟と言ってくれたあいつらを護りたいだけだ!」 ソルの叫びに呼応するかのように、ボールから更に光が放たれる すると… 「…!! 太陽が…大きく…!」 先ほどまで、月のつぶての連撃により小さくなっていた太陽が大きくなっていく ソルの意思かのように、消えることのない光のように…
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