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かと思いきや、小さな鍋を持ってきてくれた
いい匂いがする…
そう思っていると、ソル君は鍋を開けてくれた
「…おかゆ…作ってくれたの…?」
「…………」
ソル君は小さく頷いてくれた
作ってくれたのは野菜たっぷりの味噌のおかゆ…
私の好きなおかゆだ…
ソル君は、茶碗におかゆを入れてくれていた
その時、ソル君の手を見て私は驚愕した
ソル君の手は絆創膏だらけだったのだ…
恐らく、料理は不慣れなため
野菜切る時に包丁で…
私は涙が出た
こんな感情が欠落した私を傷ついてでも…
ソル君を他人事のように見ていた最低な私を優しくしてくれたことを…
多分、この時からだと思う…
ソル君を愛するようになったのを…
友達はロクにいなかった…
チャンピオンの称号を持っても、何も変わらない
ただ、決められた道を一人で歩くしかない
誰も…助けてはくれない…
そう思っていた
だけど…
ソル君だけは助けてくれた…
ソル君だけは…私といつも一緒に居てくれた…
私が辛い時や泣きたい時も慰めてくれた…
私が酷い熱を出した時、夜も寝ずに看病してくれた…
寂しい時、いつも一緒に居てくれた…
手を傷つけながらも、ソル君はいつも美味しいご飯を作ってくれた…
本当は姉の私がしなければいけないのに、ソル君がいつもしてくれた…
こんな、人間の枠から外れた私を…
仕事以外、何も役立たない私を…
ずっと……助ケテ…クレ…テ…
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