Chapter Final.太陽と月

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ファリアス 頂上【始まりと終わりの間】 ヒュォォォ… 「ぐっ…」 ファリアスの頂上、うつ伏せになっていたソルは頭から血を流しながらも起き上がると 辺りを見渡す 聞こえるのは風の音と、所々火が燃えている音 そして、正面にはルナがうつ伏せに倒れていた ルナの真後ろにはアルセウス ソルの隣にはレシラム 二匹とも目を閉じており、瀕死の状態で倒れていた 「ぐっ…ガハッ!」 ソルは必死に起き上がろうとするもの、片方の腕は折れており 最後の攻撃による衝撃で、右足も折れてしまったため起き上がることができなかった それでもソルは朦朧とした意識の中、這いつくばりながらも必死にルナに向かって手を伸ばそうとしていたが… 「るっ…ルナさっ…」 力がでず、腕は静かに床へと落ちてしまう 「死…ぬ……? 俺は…ここで…死…」 意識が薄れていく中、ソルはふと呟く ここまま死ぬのだろうかと思いながら… 体の力が抜け、意識が闇の中へと消えようとした時 昨夜、約束の丘でN話していた時のNの言葉が頭に過る 『ソル、君には夢があるか? 絶対に叶えたい夢というのが…』 「ゆ…め…願…い…」 Nの言葉が頭に過った瞬間、ソルは朦朧とした意識の中、必死に口に出していた… 「そう…だ… ここで…死ぬわけには…いかな…い… 俺の…本…当の…夢は…願いは… ヒ…ナタ…と………………っ」 ソルは本心を口に出しながら意識が消えようとしていた、だが ソルは死にたくないと、ヒナタや仲間達と共に居たい感情は消えず、涙を流していた… 体の力が抜けていき、ソルは意識が消えるのを待つ中 どこからか、足音が聞こえてくる それも、少しずつ近づいてきていた…
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