大嫌い教師

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「先生、サドでしょ?」 「……。は?」 「Sだよ先生。」 「違う。」 「彼女とかにもそんなに冷たいの?」 「お前には関係ない。」 やっぱサドじゃん。と小さく呟きながら忍は寝返りをうった。 カーテン越しの会話。 すごく不思議な感じがした。 相手が見えないから、あの律義なスーツ姿の縁メガネも見えない。 まったく違う人と話している感じがする。 「先生いくつ?」 「25。」 「えぇ!?藤本先生と同じなの!?てっきり40近いのかと思ってた。」 「君、それ目茶苦茶失礼だよ。俺に。」 忍はベッドを抜け出しカーテンを開けた。 先程と同じように河谷は椅子に腰掛けていた。 忍は河谷に近寄り顔をまじまじと見た。 「何ですか?」 「あっ、なーんだ。先生若いんだ。年相応、年相応。いつもスーツ着てメガネかけて無表情で授業してるから、なんか25歳のギリギリ青年期に属しているようには思えなかったんだよね。」 事実、忍の言う通り、河谷にはまだ若々しさが十分にあり、よく見るとそれなりの器量の持ち主だ。 河谷は反応に困ったように顔を俯けた。
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