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その後河谷はまたもや黙り込み、ポケットから文庫本を取り出し、それを読み始めた。
忍は退屈なので何度か河谷の座る椅子をグルグルと回してちょっかいを出したが、睨まれただけで完全に無視。
そして結局、忍は再びベッドへ戻った。
チャイムが鳴る。
「わーい、昼休み。1番得意なのが昼休みなんだよねー。中学の時、得意教科に給食って書いたら先生に怒られたの。」
「うん、教科じゃないからね。」
異物を見るような目で河谷は言った。
「じゃあね、先生。」
ドアを開けて廊下へ出ようとしたその時。
「山武。」
忍は元気よく振り返った。
「お前もう少し世界史頑張りなさい。」
「……。はーい。」
忍は保健室を出ていった。
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