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翌朝だった。
「……ない。」
忍はパソコンのスクリーンに鼻をくっつけた。
「なんで?……なんでないの?」
忍は何度もマウスをクリックした。
4月1日、忍の通う学校は転勤になった教員の名前をホームページに載せる習慣があった。
覚悟を決めて臨んだ忍は、そこに河谷の名前がないのを見て大混乱していた。
おかしい!
そんなはずない!
書き忘れてんだ!
忍がオロオロしながら部屋中を歩き回った。
そこへ携帯に一本の電話。
「も、もしもし?」
「あ、忍?亜紀だけど……」
「亜紀ちゃん!?ねぇねぇ、大変なの!今ホームページが見たら間違ってて……っ!」
「あー、それね……。河谷の名前がないってことでしょ?」
「そう!」
受話器の向こう側から亜紀のばつの悪そうなため息を聞いた。
「あれね、河谷が転勤するって話、……あたしの勘違いだったみたい。」
……ほえ?
「今なんと?」
「転勤するのは河谷じゃなくて同じ地歴科の山下先生だったの。」
ふーん。
……って、
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
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