不撓の曹仁

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そこには先に招集された満寵、史渙、韓浩、楽進等将軍の姿があった。 皆議席についていた。 うちの楽進は立ち上がり言った。 「大将!やはりここは小沛、下ヒへの順に攻めていくべきでしょう。報告によれば孫策軍は現在、兵糧が不足しており、糧秣の蓄えがある我が軍は優勢です。ここは正攻法で攻めきりましょう!」 「ううむ……」 思惟する曹仁。 楽進の献策は定石が多い。 しかし、今回の戦では孫策が有利。 楽進の言い分もわかるが、蓄えがあるとて兵の質で劣っている。 ただ、それでも史渙はこの策に賛同して、 「楽進殿の言う通り。ここは確実に小沛から攻めるべきです」 と、続けた。 まあたしかに、兵書通りに動いた方が被害も少ないだろう。 ……だが、しかしどうしたものか。 破竹の勢いの孫策に定石通り戦ったところで勝てるものだろうか。 此方は新兵揃いの歩兵隊。 向こうは劉表、袁術を打ち破った経験のある精鋭兵である。 やはり到底敵わないのではないだろうか。 「ううん……」 仏頂面で唸る曹仁を見て韓浩、字を元嗣はここで、 「大将、曹司空は先に機略を用いてこれにあたれと仰いました。ここは参謀の意見も聞くべきかと」 と勧めた。
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