軍師の眼

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呂布はその得物、方天画戟を孫策隊へ向けた。 「騎馬隊突撃するぞ!この呂布が二百殺したのだ!貴様等でも二十は殺せ!」 「応!応!おおぉー!!」 疲れ知らずなのか、呂布は休む間もなく再び先陣をきった。 碧血紅漿、呂布の行く先に忽ち彩られた。 「あれが呂布か……」 大将の孫策は胸躍る心地であった。 あれほどの武勇の持ち主。 きっと武名ある者に違いないと心内に確信していたが、あれが呂布だなんて。 いや、あれほどの武勇はやはり呂布をおいて他にいない。 そして、副将はきっとあの関羽を蹴散らしたとも言われる張遼、字を文遠であろう。 「おもしろくなってきた」 そう呟いたと同時、太史慈と目が合った。 太史慈もまた、闘志の漲った目をしていた。 「太史慈、あれが呂布、そして張遼だそうだ」 太史慈はにやと笑った。 「大した相手です」 「俺とそなたとで行けると思うか?」 「さあ、やってみなければ――」 「じゃあ、やってみるか?」 「ご命令とあらば」 今度は互いにやと笑った。 そうだろう太史慈、そなたも血が沸騰する心地だろう。 我等は常に強敵を探している。
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