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「や、やるよ!やるやる!
モデルでも何でもやるって!」
思わず首を縦に激しく振る。
脅され、ほぼ強制的に承諾することとなってしまった。
お面の中で黒い笑顔を浮かべているであろう彼女は、
「良かったぁ。
最初からやってくれると分かってはいたけど安心したわ。」
と明るいトーンで話し、ゴソゴソとポケットから小さく折られた紙切れを取り出した。
「それじゃあ早速だけど、入部届けを持って美術部へGOよ!」
先程彼女が取り出した紙切れには、“入部届”と大きく書かれ、部活名とクラス、名前を記入する枠がある。
「え?今から?」
「善は急げっていうでしょ。」
さっさと受け取りなさい。
と言わんばかりに、紙を僕の手に押し付ける。
「あー、はいはい。
行けばいいんでしょ。」
何もかも諦めた僕は、素直に紙を受け取った。
「宜しい。じゃ、とりあえず今日はここで解散しましょう。
いい?この後ちゃんとこの紙を提出しに行くのよ?」
やっと解放された。
すんごく長い間拘束されていたと思ったが、携帯で時間を確認すると、あれから30分程しか経っていなかった。
「そうだ。今度いつ貴方と会えるか分からないから、携帯のアドレス教えてくれる?」
僕の携帯へ目を向け、ピンクのメモ帳とボールペンを渡してきた。
ここに書けってことね。
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