第一章

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「や、やるよ!やるやる! モデルでも何でもやるって!」 思わず首を縦に激しく振る。 脅され、ほぼ強制的に承諾することとなってしまった。 お面の中で黒い笑顔を浮かべているであろう彼女は、 「良かったぁ。 最初からやってくれると分かってはいたけど安心したわ。」 と明るいトーンで話し、ゴソゴソとポケットから小さく折られた紙切れを取り出した。 「それじゃあ早速だけど、入部届けを持って美術部へGOよ!」 先程彼女が取り出した紙切れには、“入部届”と大きく書かれ、部活名とクラス、名前を記入する枠がある。 「え?今から?」 「善は急げっていうでしょ。」 さっさと受け取りなさい。 と言わんばかりに、紙を僕の手に押し付ける。 「あー、はいはい。 行けばいいんでしょ。」 何もかも諦めた僕は、素直に紙を受け取った。 「宜しい。じゃ、とりあえず今日はここで解散しましょう。 いい?この後ちゃんとこの紙を提出しに行くのよ?」 やっと解放された。 すんごく長い間拘束されていたと思ったが、携帯で時間を確認すると、あれから30分程しか経っていなかった。 「そうだ。今度いつ貴方と会えるか分からないから、携帯のアドレス教えてくれる?」 僕の携帯へ目を向け、ピンクのメモ帳とボールペンを渡してきた。 ここに書けってことね。
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