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「ところで飯島くん。
何故貴方がここにいるのですか?」
「あ!そうそう、紹介するね!
我が美術部に新しく仲間が増えました!
飯島恭也くんでーす!」
「...はい?冗談、ですよね?」
眉を真ん中に寄せて、“信じられない”という表情を浮かべている地味子ちゃん。
いつものポーカーフェイスを崩してやったという事実に、気分が良くなる僕は性悪なのかもしれない。
「部長の言う通り、今日から美術部の一員になったんだ。
よろしく、地味子ちゃん。」
わざとらしくニコッと笑顔を作り、彼女へ右手を差し出す。
しかし、目の前の相手は怪訝そうな顔をしたまま握ろうとしない。
「運動バカな貴方が美術部だなんてどう考えてもあり得ません。
不自然です。
一体何を企んでいるんですか?」
「企むだなんて、俺は純粋に芸術に目覚めたんだ。
やっぱり芸術は素晴らしいよね。
うんうん。」
「貴方に芸術の何が分かるというのですか?
バカなことは良く考えてから発言して下さい。
不愉快です。」
全くもって酷すぎる言い草である。
「はい、痴話喧嘩はそこまで。
宮野。彼がこの部活に入ろうが入らまいが、君にどうこう言う権利はないはずだ。
彼からはやる気と覚悟が感じられると、顧問である私と部長が判断した。
だから正式に入部を受け入れた。
それだけのことだ。」
「...荒木先生。」
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