第二章

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「ところで飯島くん。 何故貴方がここにいるのですか?」 「あ!そうそう、紹介するね! 我が美術部に新しく仲間が増えました! 飯島恭也くんでーす!」 「...はい?冗談、ですよね?」 眉を真ん中に寄せて、“信じられない”という表情を浮かべている地味子ちゃん。 いつものポーカーフェイスを崩してやったという事実に、気分が良くなる僕は性悪なのかもしれない。 「部長の言う通り、今日から美術部の一員になったんだ。 よろしく、地味子ちゃん。」 わざとらしくニコッと笑顔を作り、彼女へ右手を差し出す。 しかし、目の前の相手は怪訝そうな顔をしたまま握ろうとしない。 「運動バカな貴方が美術部だなんてどう考えてもあり得ません。 不自然です。 一体何を企んでいるんですか?」 「企むだなんて、俺は純粋に芸術に目覚めたんだ。 やっぱり芸術は素晴らしいよね。 うんうん。」 「貴方に芸術の何が分かるというのですか? バカなことは良く考えてから発言して下さい。 不愉快です。」 全くもって酷すぎる言い草である。 「はい、痴話喧嘩はそこまで。 宮野。彼がこの部活に入ろうが入らまいが、君にどうこう言う権利はないはずだ。 彼からはやる気と覚悟が感じられると、顧問である私と部長が判断した。 だから正式に入部を受け入れた。 それだけのことだ。」 「...荒木先生。」
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