序章【Ad hominem:始まり】

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 本当、適当だな……。 「さて、では、またな。妾は世界樹の頂上にて諸君を待つ! 〝全人類〟よ、今こそ立ち上がれ! 自らを研鑽し、妾を倒すのだ! 君に出会える日を楽しみしている――」  再び、光が視界を埋める。  眩しさに目を閉じ、開いたときには既に女神様の姿は無く、平日夕方のいつも通りの住宅街が俺の目の前に広がっていた。  この世界が終了し、新しい世界に書き換えられるまで五時間、か。  正直言って、いまだに夢見心地だが、辺りで騒いでる人達を見る限り、全て現実なのだろう。  受け入れるしかないのだ。  ていうか、今更夢とか言われたら泣く。  俺は必ず女神様の元へ辿り着いて見せる。  努力が報われる世界なら、きっと俺でも一番になれるはずだ。  と、そう信じて――   ****  女神様が再び登場したのは、消えてから一、二分後のことだった。  無駄に決意した俺がバカみたいである。 「あ、ゲーム開始しても一週間はチュートリアルにするから。詳細はクリスタルで検索」  女神様ェ……。
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