第一章【Occursus:出会い】

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 街が押し退けられ、宿、武器屋、防具屋、飲食店、雑貨屋等々、女神様運営の建物が建ち並ぶセーフティゾーンを歩く。  建築様式は、中世ヨーロッパを彷彿とさせるゴシック様式。  え? ここどこ? もちろん日本です。  日本も発展というか、退化というか、色々あったようだなぁ。  具体的に言えば、女神様が出現してゲームが始まったりとか。  そんなふざけたことを考えているうちにギルドに着いた。  現在時刻は午前一時少し前。  神歴元年、四月二十一日の午前一時少し前。  ゲームスタートから約十七時間が経った。  神歴とか絶対適当だよねネーミング。  あの後スーパーで飯を買って食い、ゲームスタートしてからずっとレベル上げ。  寝ていない。  オールは慣れているが、少々辛いものがある。  受付に近寄り、係員に声をかける。  トウヘッドの髪色とオターグレイな瞳が包み込むような優しさを醸し出していた。 「すいません。魔物討伐の報酬を貰いたいんですけど」 「はい! ではクリスタルを見せて頂いてもよろしいでしょうか?」 「あ、はい」  予想以上に元気な声で応対する受付のお姉さんに戸惑いつつ、クリスタルを取り出し、お姉さんに差し出す。 「確認させていただきます!」  お姉さんがクリスタルに手をかざすと、一瞬、クリスタルの淡い青色の光が濃くなり、すぐに元に戻る。
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