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「あっ、キジだ。何か用?」
「もももももたっ! もっ、もたもろさん! お、おこ、お越し煮付けた、き、きび、キビキビキビキビキビキニニビキビキ--」
「カットカット!」
そのふがいない演技に、白歩は作者に詰め寄られた。
「キミ、もう少し自然な感じにできない?」
「す、すみません! 僕、こんな大役引き受けたの初めてでしてっ……!」
ジロリと白歩、それから飛火、成良と順に見渡す作者。
「……ヤンキーに変態に素人……。誰ひとりまともな奴がいない……」
そして作者はその場にいる全員に聞こえるような深い深いため息をついた後、再び小声で呟いた。
「……こんな事なら他の会社に頼むんだった……どいつもこいつも私の台本を無視しやがって……マジ使えねえ……」
それを耳にした地獄耳の飛火は、「チッ」と舌打ちすると抗争を始める勢いで作者に迫った。
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