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「うえーん!!ヒンちゃんの嘘つきーーっ!!」
立ち入り禁止の校舎の屋上から、あたしの無念の叫びが、大きく開けた青空に木霊する。
それを横目にゲラゲラと笑い転げる親友のヒンちゃん。
「ぶははははは!!ひ、貧乳が好きとかっ……まじウケる!!」
「ウケてる場合じゃなーーい!!」
ぽかぽかとヒンちゃん目掛けてパンチの連打を食らわすも、「痛い痛い」と言いながら、全く痛くも痒くもなさそうな素振りで交わされて。
終いにブーっと拗ね始めたあたしの頭を、ぽんぽんと慰めてきた。
「ごめんごめん!まさか貧乳好きだとは思わなくてさ!!だって、あたしの経験上、宗夫みたいな寡黙系眼鏡は、むっつり巨乳好きだと相場が決まってるしー。……おかしいな。あいつ宇宙人か?」
「っ、宗夫くんは人間です!!……てか、貧乳好きに巨乳で迫るとか!!一番しちゃいけない告白の仕方しちゃったじゃんーっ!!」
わーん!と、再び大きく口を横に開くあたしを、若干負い目を感じているような引き攣った笑顔で見つめるヒンちゃん。
それもそのはず。
こうなった全ての責任は、どう考えてもヒンちゃんにあるのよ!
あたしは、この百発百中の千里眼をもつヒンちゃんの作戦に乗っかって、あのおっぱい丸出しの告白を決行したんだから!!
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