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だけど、そんなことが続くはずないのだ。
次第にそれはエスカレートしていった。
いわゆる、泥沼というやつだ。
お客さんのお金に手を付ける金額は
みるみるうちに増えていき、
ついには親御さんのところへ泣きついて行っても
もうどうにもならないところまできてしまったのだ。
そして、迎えたのが今日という日だったのである。
恐ろしいことに、親御さんは息子可愛さに
極限までお金の工面をつけてきたようだ。
おそらく、
「今日子には絶対内緒にしてくれ、
今日子にバレれば離婚になってしまう」
とか、
「そのうち俺がなんとかするから、
もう1回だけお願いできないか」
などと言って泣きついていたのだろう。
そんなことは容易に想像できる。
そして親はそんな息子の
泣き落としの言葉に負けてしまって、
ズルズルと今日まで来てしまったのだ。
もう後の祭りではあるのだけれど、
もし親御さんがそこでお金を工面しなければ、
途中ででも突き放してくれれば、
あるいは、妹の今日子に打ち明けてくれていれば、
と思うにきりがなかった。
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