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私たちの車が到着したのがわかったのか、
直也さんが玄関ドアを開けて出てきた。
その様子は暗かった。
一面に雪が積もり、
さらにまだちらちらと雪が舞う外の天気が
なおさらそう見えさせたのかもしれない。
それに、
私たちの顔をまともに見れないと
いった感じで背中を丸め、
顔は下を向いたままだったように思う。
ように思う・・・というのは私も
直也さんの顔をまともには見ていなかったのである。
それは何故だったのだろうか。
腹立たしさか、
怒りか、
それとも怖さか、
とにかく私は直也さんの顔を見ていなかったのである。
正確には、
見られなかったのか、
見たくなかったのかは
微妙すぎて今でもわからない。
直也さんは、
「すみません・・・」
と振り絞るように言ってきた。
そう言うのがやっとの様子である。
「・・・」
とりあえず、
私は頷くのだった。
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