第1章   会う約束のその前に

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そんな親がお金を 持っているはずがない。 だから妹は私を頼ってきたのだ。 それにもしかしたら、 「彩子にお願いしてみたら」 と言ったのは父か母かもしれないのだ。 私にはそれを知る術もない。 そして、 聞いたところで誰も教えてはくれないだろう。 そんなことは百も承知だ。 だったら、 また私が虚しくなるだけだ。 それに、 もしかしたら、 今日子と父と母は 「それだったらもう、 彩子にすべてを打ち明けるしか ないんじゃないか」 「謝ってお金を出してもらうしかないんじゃないか」 という結論を出してきたのかもしれないのである。 とにかく、 今はお金が必要なのだから ということありきで、
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