第1章   ばあちゃんの告白

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祖母も祖父も私をよく可愛がってくれたようである。 特に、祖父の方は私のことは目に入れても 痛くないほどの可愛がりようだったようだ。 それは祖母から何度も聞かされたし、周りの人も そう教えてくれたことがある。 ただ、私が大きくなるにつれ、 祖母とは喧嘩が絶えなくなった。 その理由の一つが、 祖母がある日私に何気なく言ったひと言だった。 「お母さんはね、あんたのことはあまり好きではないみたいよ。 妹(今日子)のことが可愛いみたい。 そして、お父さんは隼人のことが可愛いみたいやね。 待望の男の子だから仕方ないけど、隼人には甘いもんね。 まあ、お母さんも隼人のことも可愛いみたいだけど。 まっ、あんたはじいちゃんが可愛がってくれるから いいがいね」 こんなひと言だった。 「ふ~ん」 そう私は呟いた。 だけど、そのショックはどれほどのものだっただろうか。
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