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それは弟からの電話だった。
今度は弟が話があるという。
「もう今日はヘトヘトだから、
今度にしてもらえないだろうか」
と言いたいところをなんとか堪えて、
「どうしたの? なんかあった?」
と言うのであった。
もしも何か急な変更でもあったかもしれないからだ。
この臆病で心配性な私の性分、
なんとかならないものかと我ながらに思う。
弟はできれば早いうちに、
つまりこれからということなのだが、
自分の話を聞いてもらえないかと言う。
夫には申し訳なかったが、
ほんの10分でいいからという弟の押しに負けて
仕方なく承諾したものの
私はなだれ込むようにソファに座った。
なんせ、
今日一日、
わずかな見落としも
少しの脇の甘さも許されないとばかりに
頭をフル回転させていたのである。
それはもう限界なのであった。
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