第1章   弟の都合

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案の条であった。 そして、 それは私たちにさらなる包囲網を 張り巡らすかごとくのことなのであった。 弟は結婚を考えている人がいる。 というより、 少しずつ具体的な話が進んでいるようだ。 それで、 であった。 弟の結婚のこともあり、 やはりなんとかお金の工面を してもらえないだろうか、 ということなのであった。 それはどういうことかと言えば、 万が一、 今回のことがあちらの親御さんに知れれば 破談になる可能性があると言うのだ。 弟としてはそれはなんとしてでも避けたい。 だから、 直也さんが告訴されないようにしてもらえないだろうか、 ということなのである。 それは一応、 弟本人の考えとお願いという建前で 大下家の3人は私たちの家を訪ねてきたのであった。
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