第1章  次なる問題

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私たちがお金を工面することを報告したその電話で母は 少しばかりは言いにくそうに、 大下家としての次の問題を打ち明けてきた。 つまり、 「こんなことがあったって言うのにまたなの!?」 というふうに思っている私は 苛立ちと怒りさえもを覚えているので、 言い方は荒っぽいかもしれないけれど、 母はその私からの報告の電話を利用したのだ。 「このタイミングを逃してはならない」 「今しかない」 「ついでだから言ってしまおう」 そんなばかりに、 である。 改めて、 もしかしたら、 母や父や弟にとっては こっちの方が重要だったのかもしれないと思ってしまう。
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