第1章    消えない思い

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私には『親に好かれたい、少しでもよく思われたい』 というそんな基準を持っている以上、 それをどうしても捨てられない以上、 夫にお願いするしか道はなかったのである。 私は自分のこんなどうしようもない思いのために、 また夫に迷惑を掛けようとしている。 本当にこれでいいのだろうか? これしかないのだろうか? 私がもういい加減にこんな自分の思いに 踏ん切りをつければいいだけのことではないのか? そうすれば、これ以上夫に迷惑を掛けずに済む。 今、それができるいいタイミングなのではないか? その時が来たのではないか? どっちを取るんだ? 自分の気持ちか、 夫と子どもたちのこの高崎家の家族か。 そんな選択を突きつけられているようにも思っていた。
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