第1章     応援を求めて・・・

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それはどんなに説き伏せても拉致が明かなかったので、 それで、一応、「あとのことは彩子たちに任す」 とは言われていたのだが、 とりあえず今日子と話していても収拾がつかないこのことを、 その意見を聞こうと父に電話を入れることにした。 「任す」というその言葉を信じていた私たちは、 もちろん、父も私たちの考えに賛同してくれること、 今日子を説き伏せてくれることを期待してのことだったことは 言うまでもない。 だが、そんな私たちの期待はものの見事に裏切られたのである。 父の言葉は開口一番、 「それはお前たちの方が間違ってるよ」 というものだったのである。 私は一瞬、耳を疑った。 だが、それは私の聞き間違いではなかったのである。 父はこう続けた。 「だって、それじゃあ、あまりにも今日子が可哀想すぎるじゃないか。 今日子の身にもなってやれよ」 と・・・
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